荒川区の銭湯「梅の湯」栗田尚史さんインタビュー

荒川区の銭湯「梅の湯」栗田尚史さんインタビュー

台東区元浅草の銭湯「日の出湯」の田村さんに紹介された、荒川区西尾久にある銭湯「梅の湯」の三代目、栗田尚史さんにお話を伺ってきました。
台東区元浅草の銭湯「日の出湯」田村祐一さんのインタビュー記事はこちら
「梅の湯」さんは、都電荒川線の荒川遊園地前駅のお隣、小台駅から続く小台本銀座商店街の中にある銭湯です。
創業60年の銭湯で、三代目の銭湯のお客さんや商店街への愛情と、優しい人柄がそのまま銭湯にも現れている、温かく愛される銭湯です。

「梅の湯」を継がれてどれくらいですか?

荒川区の銭湯「梅の湯」栗田尚史さんインタビュー1

4年目になります。この店自体は昭和26年からで60年で私は三代目になります。

梅の湯を継いだきっかけは?

私は小学校5年生までここに住んでいて、いったん親の仕事の都合で茨城のほうへ引っ越して大学までそちらにいました。
卒業して東京の印刷会社に入社し一人暮らしを始めて4年くらい働いていた頃に、銭湯のロビーの当時広かったスペースを有効活用しようってことになったんです。
そして、ロビーに飲食が出来る焼き鳥屋さんを作ろうという話にまとまり、母がそちらに入って銭湯の人手が足りなくなってしまうということで、焼き鳥屋の開店のタイミングで会社を辞めて私が銭湯を継いだんです。
私もそのうち銭湯をやるんだろうなってことはずっと思っていたので、抵抗はなくすんなり入りました。

梅の湯の一日の流れを教えてください

起きるのがいつも11時頃かもうちょっと前くらいです。お昼過ぎに火を入れます。「梅の湯」の燃料は重油でやっています。 大体銭湯の燃料は薪か重油かガスになると思うんですが、薪は人手がかかるんですよね。重油やガスだと機械管理なので人手がいらないんですよ。
15時半にお店が開いて、店番は私と祖母とで交替でやります。1日に見えるお客さんは130人くらいでしょうか。
お店が夜中の1時までなのでそのあと掃除をします。終わるのが3時前なので、寝るのは4時近くになっちゃいますね。

銭湯経営をやっていて大変なことは何ですか?

そうですね、お店が終わった後の掃除は毎日やらなきゃいけないことですし、体力仕事なので大変ですね。
掃除は汚れてからやるのではなくて、汚れてないところでも毎日綺麗にすることが大事なんです。家のお風呂とは違って広さがあるので、その分大変ですね。
銭湯の従業員は二人だけですが、昼間の掃除と夜の掃除をそれぞれ近所の方が手伝いに来てくれていますので私と二人がかりで掃除しています。それでも1時間半は掛かってしまいます。

銭湯経営で楽しいコト。

荒川区の銭湯「梅の湯」栗田尚史さんインタビュー2

近所の方が私の小さい頃のことを覚えていて教えてくれることですかね。 自分が小さくて覚えていないこととかも近所の方が覚えてくれているんです。そういう方と話せたり仕事で接しているっていうのは、なんかいいな~と思います。

あとは、お客さんが年配の方が多いので、自分が今までは興味のなかったことを知れるのもいいですね。
イベントで寄席をやったときも、チラシを貼っていたら落語が凄い好きなお客さんがいて、「落語好きなのかい?誰々のあれとあれは聞いた方がいい」って全部教えてくれました。その次の日、「聞け」って言って落語のCD持ってきてくれたんです(笑)。そういう繋がりはありがたいですね。

焼き鳥屋「梅京」さんについて教えてください。

焼き鳥屋「梅京」は15時半以降、銭湯に合わせて準備をして開店します。
銭湯の入浴料と焼き鳥屋のセット券も販売しているのですが、お得で喜ばれていますよ。1000円で入浴料と生ビール1杯と焼き鳥が2本付くんです。
自分はなかなかお店で食べる機会もないですけど、たまに小学校時代の友人とか来たりするとちょっと顔出したりはしています。

お客さんを集めるのに工夫していること。

荒川区の銭湯「梅の湯」栗田尚史さんインタビュー3

会社員を辞めた時に、せっかく自分のお店を持つのだからもっと「梅の湯」をアピールしていきたいなと考えました。
色々なイベントを開催する際にお店のチラシだけじゃなくて、もうちょっと広い範囲で梅の湯を知らない人たちにもイベントを知ってもらう手段がないかな?と考えてtwitterやfacebookを始めたんです。
以前に比べれば地域の銭湯組合のホームページだけじゃなくて、大手が銭湯一覧などをまとめて作ってくれるサイトが出来てきてはいますが、そういうところに誘導してあげられるように、出来るだけ入口を多くしてあげようかなとは思っています。

イベントはどのようなものをやりましたか?

基本的に自分がやりたいと思うことをやるようにしています。今までやったイベントはお茶風呂や寄席などです。

お茶風呂

お茶風呂は月に1回くらい開催しています。
お茶を作る際に粉が出るんですけど、商店街のお茶屋さんでそれをもらって袋に入れて浴槽に入れるんです。商品にならないものを譲ってもらっているんです。色も香りも楽しめていいですよ。次は4月21日(日)くらいにやろうかなと思っています。

季節湯

今年から、お茶だけじゃなくて「季節湯」をやり始めました。
例えば菖蒲湯とかゆず湯とかあるじゃないですか。ネットで調べていたらそれだけじゃなくて、12か月すべてに自然のものをお風呂に入れる文化があったんです。(季節湯のページ参照)

昔から伝統として伝わってきたということはやはり何かしら意味があってやっていたんだと思うんです。
そういうのもまずは自分が体験してみたかったので、営業が終わった後にこっそり自分で試したんです。そしたらすごく良かったので営業でもやってみることにしました。
入浴剤ももちろんいいんですけど家のお風呂でもできるので、家のお風呂じゃなかなかやらないようなことを銭湯ではやりたいなと思ってます。家でやると準備も掃除も大変じゃないですか。そこを替わってやることに銭湯の意味があるんじゃないかと思います。

先日の大根風呂はすごい良かったです。お客さんも最初は無反応で関心なさそうだったんですけど、入った後「良かった」っていう感想をたくさん頂きました。
いつもと変わらないお風呂を提供するっていうのも大事なことですけど、たまには全然違うお湯で楽しめるっていう日も準備してあげたいなと思います。
次回は4月に桜湯を予定しています。
桜の花びらを入れると思いがちですが、使うのは漢方の桜皮(オウヒ)なんです。たくさんの方に入っていただきたいですね。

寄席

荒川区の銭湯「梅の湯」栗田尚史さんインタビュー4

寄席は去年やりました。寄席もそもそも私が見たいなと思ってやったんです(笑)。

落語が一時期気になってCDで聞いていたんですけど、生で見てみたいなと思っていて、どうせならお店でやれば遠出しなくても済むし、お客さんも喜ぶし一石二鳥だと思って(笑)。

最初の時は、twitterでフォローしてくれた方の中に落研出身の方がいて、その方に学生さんを紹介してもらって学生の方たち三人に来てもらって寄席をやってもらいました。

学生の落語なんて見たことなかったので、正直どうなるのか不安でしたが、すごく真剣に取り組んでくれて、来たお客さんも予想以上に良かったと喜んでもらえました。
技術などはプロの方と比べたら違うんでしょうけれど、取り組む姿勢が良かったです。
その時はお客さんも20人くらい来てくれて500円くらい頂いたんですが、学生さんに謝礼をお支払しようとしたら、「いいです」って断られて、こっちも「いや、いいです!」って言って受け取ってもらいました。
せっかくなので隣のお店に寄ってもらって、焼き鳥をごちそうして一緒に語り合いました(笑)。

寄席はそのあとも近所のギャラリーのイベントで何度かお会いしたた落語家さんに来てもらってやったりもしました。
そろそろ学生さんの寄席をもう一度やりたいですね。

今後やりたいイベントはありますか?

荒川区の銭湯「梅の湯」栗田尚史さんインタビュー5

音楽ライブもやりたいですね。
以前近所を自転車で走っている時に、公園で弾き語りしている中高生くらいの子がいて、こんな所でやってるのかって驚いて、「よかったらうちでやらない?」って声かけようかと思ったんですけど絶対怪しまれると思ったのでやめておきました(笑)。
昔はここの商店街も栄えていたんですけど、今商店街ってどこも難しいんですよね。荒川は商店街が残っている方だとは思うんですけど昔に比べるとやはり寂れてきてしまっています。
元の状態に戻すのは難しいとは思うんですけど、今あるお店だけでも元気になって欲しいので、そこに「梅の湯」がうまく使われればと思います。

銭湯の今後について

若い世代の銭湯経営者たちは何かしらの手段を使ってお互い繋がっているんですが、年配の経営者の方ですと意外と経営者同士でも他のお店の情報がわからなかったりすると思うんです。
色んなことをやっているのにうまく周りに伝わらない原因がそういうところにもあるのかなって思います。自分達のような若い世代の経営者がお手伝いして、お風呂屋さん同士でもうちょっと情報交換していけたら、自分たちの地区だけじゃなくて、東京都とか全国の銭湯業界全体にとってもいいのではないかと思います。
底力というのか、銭湯にはまだポテンシャルはあると思いますので。

梅の湯の今後

店番しているとこの曜日のこの時間っていう決まった日時にいつも来てくれるお客さんがいて、もうその人の生活の一つのリズムに銭湯が組み込まれているんでしょうね。
毎日来てくれればその方が嬉しいんですけど、若い方や自宅にお風呂がある方はなかなか銭湯に足を運ばないと思いますので、週に1回でも月に1回でもいいから生活のリズムの中に「梅の湯」が組み込まれてくれればいいな、と思います。

この間も20代の女性三人が「梅の湯」に入ってきた瞬間に「懐かしい~!」っておっしゃってたんです。ここが懐かしいんじゃなくて、ここの雰囲気が懐かしいんですよね。「おばあちゃんちみたい」って言ってました(笑)。うちはそんなに古い銭湯じゃないんですけどね。

たまにそういう風に家に友達が遊びに来て、お風呂狭いからみんなで銭湯行こうってなったような人達が来てくれますね。
そういう人が増えてくれればいいなと思います。

お仕事以外の楽しみは何ですか?

仕事以外は、音楽が好きで、お店の定休日の土曜日は渋谷とか下北沢のライブハウスへ行きます。
一番見に行くのは意外と思われますが、パンクロックです。アコースティックとか静かな音楽も好きです。

あとは、これから夏になると野外ライブも見に行きます。
一日しか休みがないので、日帰りですけどタイミング合わせて行ってきます!

【梅の湯】
住所:東京都荒川区西尾久4-13-2
TEL:03-3893-1695
最寄駅:小台、尾久
営業時間:15:30~25:00
定休日:土曜日
設備等:コインランドリ / 季節湯 / サウナ /



荒川区西尾久の銭湯「梅の湯」の取材記事はこちら

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