台東区東上野の銭湯「鶴の湯」相畑靖雄さんインタビュー

台東区東上野の銭湯「鶴の湯」相畑靖雄さんインタビュー

台東区東上野の「鶴の湯」の相畑靖雄(あいばたやすお)さんにお話を伺ってきました。
「鶴の湯」さんは相畑さんと奥さんのお二人でやられている銭湯になります。
相畑さんが今までインタビューしてきた方たちと違うのは、親方の元で修業を積んで、その後お店を任されてきた方ということです。そんな相畑さんの修業時代のお話などを伺ってきました。
こちらの銭湯は、台東区上野にある銭湯「燕湯」の橋爪雅栄さんにご紹介いただきました。
台東区上野にある銭湯「燕湯」の橋爪雅栄さんのインタビュー記事はこちら

銭湯のお仕事を始めたころのお話を聞かせてください。

台東区の銭湯「鶴の湯」相畑靖雄さんインタビュー1

私の地元は石川県だったんですが、昭和33年に中学を卒業して田端で勤めたのが一番最初でした。
給料は月3千円だったんですよ。
最初大変だったのは食事ですね。田舎で食事するときはそんなに早く食べないのに、こちらでは「ご飯食べるの遅い奴は仕事も遅い」って言っていつも怒られてましたね。笑
だけどおもしろいこともあったんですよ。
昔はね、建物を燃やしたときなんかに釘が出るでしょ?それを磁石で拾って売るの。藁でも縄でも集めておけば近くに売るところがあったから。きれいな紙もとっておくと本屋さんで売れたんですよ。
そのお金で、当時番頭さんと小僧さんが二人ぐらいいて、毎晩屋台に飲みに行ったり映画観に行ったりしたね。

26歳の時に親方に「商売やってみないか?」って言われたんです。
最初は嬉しかったけど、実際やるまではちゃんと出来るか不安だったよね。
任されたのが千葉県の旭市の銭湯だったんです。旭市は漁師町ですぐそばに銚子があったから体の大きな人がたくさんいて、若かったから怖かったんだよね。笑
そこに5年いたのかな。向こうは田舎だから暇になっちゃってこっちに帰ってきちゃいました。
それから台東区東上野3丁目の「松の湯」さんという銭湯に勤めましたが、残念ながらその銭湯はもうなくなってしましました。

鶴の湯さんにはいつごろから勤めたのですか?

台東区の銭湯「鶴の湯」相畑靖雄さんインタビュー2

「鶴の湯」の創業は明治初期といわれていますが、私がこちらに勤めたのは40年前からになります。
その当時は忙しくてね。周りにもビルなんか何にもなくて長屋ばっかりだったんです。若い時は疲れを知らなかったけど、7月でもう72歳になるんです。今は暇でも疲れちゃうね。笑
お客さんは忙しい時は130人くらいですが、雨の日なんかは4~50人くらいしかいないです。年間通してだと平均70人くらいかな。


1日のスケジュールを教えてください。

起きるのがお昼の12時くらいで起きてすぐ朝ごはんです。12時45分ごろバーナーに火を入れます。
13時~14時過ぎるとお風呂の支度してカランから全部一回お湯を流すんです。お湯が冷たくなっているから温めるためにね。
15時から24時30分まで商売やってそれから掃除。寝るのは5時です。
食事は僕はだいたい18~19時ころにちょこっと食べて、22時頃に晩御飯ですね。女房は番台で食べてます。
あとは22時頃と3~4時頃に家の周りをぐるっと見回りしています。
そうすると誰かが寝てたりね、マンションに全然知らない人がいたりしたこともありました。お財布も2回拾いましたよ。笑

見回りをするようになったきっかけは?

勤めてた時、女中さんが戸を閉め忘れてた時があったの。そのとき親方に「何やってんだ!」って怒られたのね。
それからは戸締りしてあるか確かめるようになって、それが今でも習慣になってるんです。

銭湯をやっていて楽しいことはなんですか?

台東区の銭湯「鶴の湯」相畑靖雄さんインタビュー3

銭湯で楽しいことっていえば・・・、あんまりないね。笑

けど、飾ってある花や植木をお客さんが喜んでくれることかな。
裏に植木が植えてあるからそれを女房と二人で整理してるんですけど、4月が一番花が一斉に咲いて、お店の中にたくさん置くんですよ。
今ちょうど終わったところですね。アザレア、つつじ、椿もあったし、年間通して何かしら置いてあります。
お客さんに花屋さんがいるから持ってきてくれたりね。
千葉の旭市にいるときに買ったものも今でも元気に咲いていますよ。それは僕みたいな「ボケ」という花です。笑
お花は毎日毎週何か出すんですよ。
お花出てないと「今日はなんだか寂しいね」なんて言われちゃうからそうすると女房が買いに行くんです。
「うちに花咲いてるから持って来ようか」って言ってくれるお客さんもいますよ。


ラベンダー湯をやっているとのことですが、やるようになったきっかけは?

毎年10月10日がラベンダー湯なんです。その時に組合から乾燥させたラベンダーを仕入れるんですけど、せっかくだから毎週日曜日だけでもやろうってことになって、発注の時に30個とかをいっぺんに予約しちゃうんです。
それで10月10日から5月5日の菖蒲湯の前までの日曜日はラベンダー湯をやってるんです。
ちょうど寒い時だから温まるって喜ばれてますよ。

銭湯をやっていて一番印象に残っていること

台東区の銭湯「鶴の湯」相畑靖雄さんインタビュー4

ここのお店で心拍停止で女性のお客さんが風呂上りに倒れたことがあるんですよ。2人。
1人は15年前くらいかな。私たちは組合でそういう時のために講習を受けてますから。
倒れた時に心臓が動いてないっていうのがわかって、救急に電話して心臓マッサージしたら消防士来る前に息吹き返したんですけどね。

もう1人は3年ほど前にやはり心拍停止で倒れたんですけど、8月のお盆の休み前で道も混んでてなかなか救急車が来なかったんです。
女房と交代で心臓マッサージしていたんだけどそれでもだめで、救急車来て、それでAED使ってようやく心臓が動いてね。
そのときもしかしたら障害が残るかもしれないって言われてたんだけど、でも大丈夫だったの。心臓マッサージしていたことが良かったのかもしれないね。
1か月に1回とかお見舞い行って退院するときも行ったんだよね。
人を助けたっていうのが一番印象に残ってるね。


仕事以外で楽しいこと。

連休がないから旅行みたいなのはできないんだけど、休みにいつも女房と2、3時間歩きに行くの。
この仕事って掃除の時は動くんだけどその間は動くことがないんですよ。だからこの辺を歩いたり、「しょうごくがつ」(正月5月9月)は神社参りに行ったりね。
川崎大師だとか寒川神社とか成田山ね。楽しみっていうか商売柄、商売繁盛を祈ってっていうことかな。


【鶴の湯】
住所:東京都台東区東上野5-22-7
TEL:03-3845-0268
最寄駅:上野、稲荷町
営業時間:15:00~24:30
定休日:月曜日
設備等:薬湯

台東区東上野の銭湯「鶴の湯」の取材記事はこちら

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