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東京都練馬区石神井台の銭湯「たつの湯」本橋正行さんインタビュー
私はこの銭湯さんにはいってみて「愛」を感じました。
それはタイルであったり、湯船であったり、ご主人の人柄であったり…
全体の空間を通して、体に伝わってくるのです。
その理由をご主人に聞いてみました。
「たつの湯」のお店の歴史を教えてください。
昭和40年に初代がこの場所でゼロから銭湯を建てたよ。
隣湯の、富士の湯さんってとこで修行をしたみたいだね。
外観は建てたときそのままで、なかは3年前、2011年に改装したよ。
お店の前に広く駐車場をとっていますね。車でいらっしゃるかたは多いのでしょうか?
たつの湯が建った昭和40年から車が一般的になった時代だったんだ。
先代の先見の明だよね。いまでもお客さんの6〜7割は車で来ているよ。
安心して車を止められるから、遠方から来るお客さんも多いね。
私としては、立派なたつの湯さんの外観を引きで見られるのが嬉しいです。
煙突を含めて銭湯の全景を見られるところって、都内ではあまり見ないんじゃないかねぇ?
この銭湯の全景が見えるっていうのは、ホッとすることだと思うんだ。
お客さんは外観を見てホッとして、湯船に入ってまたホッとしてもらえていると考えてるよ。
外観と湯船の合わせ技…ですね。湯船にはいってすぐ気がついたのですが、滑りにくいタイルなんですね。
そうそう。湯船だけじゃなくて、浴室のタイルはすべて滑りにくいものを使っているよ。
凹凸があるから掃除は大変だけど、お客さんの安全を考えたら必要なものだよね。
カランとカランの間隔も広いですね。
昔の人よりいまの人のほうが体が大きいよね。
昔は島カランがもう2列あったけど、いまだと圧迫感があるから、3年前の改装でなくしたんだよ。座ったとき隣の人との間隔も大きめに設定したんだ。
これも店ができるサービスだからね。
広々というのもホッとするポイントですね。湯船が一つで大きくつくってあるのもその理念からでしょうか。
これは昔から。なんというか、大きい湯船で温泉の感覚を味わって欲しいって思いがあってね。
大きい湯船にザブッとはいって、お湯がザザーッと溢れていく様子は安らぎだよ。広い浴室、広い湯船、高い天井…銭湯らしい空間を意識してるよ。
空間ですか。
外から見る外観っていうのも空間だし、脱衣場の高い天井、浴室の大きな湯船、広々使える洗い場…どれも銭湯の魅力で、どれも空間を感じてもらえることだよ。 テラスで涼むお客さんを結構見かけるのも、脱衣場と違う空間で、自然の空気を感じられるからじゃないかな。
銭湯の良さは空間が感じられるというところから来ているのですね。ところで、湯船の壁面の貼り紙…めずらしいですね。
熱かったら埋めてください、のことだね。
ぬるめが好きなお客さんもいれば、熱めが好きな人もいる。100人いれば100人の温度があるわけだから、熱すぎ、ぬるすぎっていうのはあるよ。いまは昔より温度管理が自動化してすぐ暖かくなるから、遠慮しないで自分好みの温度で楽しんでほしいんだよね。
ぬる湯好きにはありがたいお気持ちです。
ちなみに、建物の脇にたくさんの木材が置かれていますが、燃料は薪ですか?
100%薪で沸かしているよ。なんといってもエコだよ。本来捨てられてしまう廃材だからね。ちょっとずつ加熱するから、お湯が柔らかいってお客さんは言ってくれるよ。料理と同じで、加熱の具合で食材の味が変わったりするじゃない。それと同じだよ。はじめチョロチョロなかパッパってね。
確かに、湯上がりの後、肌にさっと馴染むような感覚がありました。井戸水だからかなと思っていましたが、沸かし方と関係があるのですね。
井戸水ってことももちろんあると思うよ。でも薪で柔らかく沸かしたっていうのもあるだろうね。あとは埋め水ってことも関係あるんじゃないかな。埋めるってことは新しい井戸水を湯船に入れるってことだからね、水が活きてるよ。
最後にお客さんへのメッセージをお願いします。
とにかく、お風呂楽しもうよってことかな。うちはシンプルな風呂屋だから、銭湯そのものの魅力は楽しんでもらえると思うよ!
風呂デューサーの取材メモ
新しくつけた設備はもとより、もともとあるものにもご主人によって「安らぎ」という意味を見出されています。これはお店への愛がなくしてできることではありません。シンプルな風呂屋とご主人はおっしゃいましたが、これぞ真髄、そう思いました。
ちなみに、ご主人は巨人ファンですが、阪神ファンも大歓迎とのことです。
(記者:風呂デューサー 毎川直也)
東京都練馬区石神井台の銭湯「たつの湯」
住所:東京都練馬区石神井台6-19-26TEL:03-3922-0753
最寄駅:大泉学園、保谷、武蔵関
営業時間:16:00~22:00
定休日:月曜日
設備:コインランドリ / 駐車場 /
東京都練馬区石神井台の銭湯「たつの湯」の取材記事はこちら
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